被災地での家電配布

被災地で配布作業を行った夫の活動記録をご紹介します。

7月10日の石巻渡波は梅雨明けの前日でよく晴れた日曜日。首都圏の支援者から提供された冷蔵庫や扇風機を、ご自宅で生活している石巻渡波地区の被災者にお届けしました。前日に運びこんだ家電品のうち、冷蔵庫や扇風機、リンナイから提供されたガスコンロを4トントラックに積みこんで、いざ「配達」へ出発です。ちなみに今回の配達チームは4名です。
 リンナイからはガスコンロ200台をチーム王冠にご寄付いただきました。
 参考 : http://team-oukan.squares.net/?p=1302

事前にもらっていたリクエストカード(欲しい物資を記入してもらったもの。物資配布の虎の巻)を参考に被災者に電話連絡します。在宅を確認してからトラックを移動。家に運び込み、指定の場所に設置して完了です。作業の流れはこんな感じです。

当日は午前中に発生した地震の影響(石巻市は震度4)で津波警報も発令。作業は途中で中断して、念のため内陸へ移動しました。
一時退避場所に選んだ石巻河南インター近くの大型ショッピングセンターは、日曜日ということもあり、車と人がいっぱいです。日陰でないところは暑くてじっとしていられず、近くのマクドナルドへ避難。店内は来店客で盛況でしたが、被災地全体で大量発生中のハエも団体で来店中、店内をブンブン飛び回っていました。

昼ごろには津波警報も解除されたので、予定より遅くなりましたが配達作業再開です。リクエストカードには欲しい物資に優先順位を付けてもらっているので、冷蔵庫や扇風機を「最優先で欲しい」方を探して電話。ひととおり事情を説明して、在宅ならこれから持ち込む旨を告げます。
前述のように東北といえども日中はうだる様な暑さなので、冷蔵庫や扇風機はもはや「ライフライン」に昇格しています。心待ちにしていた家電を受け取られた被災者の皆さんは、目を輝かせて心からお礼を言ってくれます。でも私達はあくまでも「運び屋」。お礼の先は提供してくれた首都圏の皆さんであるべきです。この場を借りて運び屋からも提供いただいたみなさんにお礼申し上げます。

この日届けた物資は冷蔵庫、扇風機、炊飯器、ガスレンジです。
冷蔵庫があれば飲み物が冷やせ、生鮮品を買って食べられます。それにハエの攻撃からも守れます。
夏日になれば扇風機は必需品です。長引く避難生活で体力は消耗しています。扇風機で夜、少しでも快適に寝られれば助かります。
炊飯器があればご飯が炊けます(当たり前です)。長く続くパックごはんとカップラーメン生活から「脱出」できます。
ガスコンロがあれば魚が焼けます。石巻は港町。みなさん魚に飢えています。「何より焼き魚が食べたい」。心の叫びです。

↓ 設置後、火がつくことを確認!

配達が日曜日であったためか、電話しても不在の方がけっこういて、実際には思うようにお届けできませんでした。
回収も手間がかかりますが、配達も思った以上に時間と人手がかかります。でも猶予はあまりありません。みなさん冷蔵庫を待っています。
もっと人手があれば。もっと時間があれば。達成感よりも「歯がゆさ」を感じて帰路についた夜でした。