8/16(火)石巻到着→家電配布

ちょうど8:00に石巻渡波倉庫に到着。
他のメンバーが合流するまでにはあと2時間くらいあるので、夜通しのトラックの運転でほとんど寝ていない夫は仮眠。しかしすでに暑くなりはじめてるのと、ハエのせいであまり眠れなかった模様。

私はその間に、歩いて3分の岸壁に行ってみました。何回も渡波には来ていますが、岸壁に自分の足で近づいたのは初めてでした。

ゴツゴツした石の部分は、決壊したところを応急処置したようです。

しかし、震災前の風景を知らないので何とも言えないけど、見渡す限り船が見えないのはやはり震災のせいなのよね?

海に向かって、亡くなった方のご冥福をお祈りしました。
王冠で活動し、その王冠の倉庫がある渡波で、自己満足ですけど一度はちゃんと手を合わせてお祈りしたいと思っていたので、少しほっとしました。

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10:00頃、河原の凛家から出発したボランティア仲間が、渡波倉庫に到着。12〜15人くらいいたでしょうか、私が参加した中では一番多い人数、みんなでトラックの荷物を下ろしました。人数が多いと本当に早いし、元気が出ます!
他の車への積込み作業などして、12:00頃それぞれの行き先へ向けて出発!


数人のメンバーは渡波倉庫に残って、お渡しするにはちょっと、、、という汚れのついた家電を「ピカピカに磨き隊」に。横浜で磨いて来られればいいのだけど。申し訳ない。横浜での「家電磨き隊」のボランティアも募集したいところ。


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【冷蔵庫の配布】

午後から日が暮れるまで、冷蔵庫の配布をしました。
人員は3名。東京からの男性J氏、私の夫、私。

チーム王冠の活動の基本をご説明しておくと、

  • 「行政の支援を受けられず困っている自宅避難者」を町中を歩いて探し、20名以上のグループを作る。20名以上というのは、申請すれば行政から1日3食のお弁当(と言っても実質は2食分くらい)を届けてもらえる最低人数だから。申請は住民に代わって王冠が代行。
  • グループの中の1人がリーダーさんとなって、グループの支援物資の受け渡し役になってもらう。
  • 行政からのお弁当同様、チーム王冠からの食料や水などの支援物資は、リーダーさんにお渡しし、各メンバーがリーダーさん宅に取りに行く。

これが基本ですが、冷蔵庫や洗濯機は重いので、各家庭に配布します。

家電の配布順については、事前に住人に実施したアンケートで、家電の品目別に各家庭の優先順位をつけてもらってありました。ですので、今回は「1位:冷蔵庫」とした家庭に配ります。例えば、1位:電子レンジ、2位:洗濯機、3位:冷蔵庫、、というように、冷蔵庫の優先順位を低めにした家庭には、まだ冷蔵庫は配布できません。
とにかくボランティアの人手が足りないため、また冷蔵庫の台数も需要に対して圧倒的に足りないために、1位の家庭にも行き渡らないのです。それは冷蔵庫に限らず、他の家電も同様です。

こういった前提を踏まえて、名簿を元に、冷蔵庫の優先順位1位のお宅に電話します。
「アンケート実施後に冷蔵庫はまだ入手していませんか?」「まだであれば、今日ご自宅に届けますがご在宅ですか?」と。
結果的に、この日は半日で19台の冷蔵庫を配布しましたが、その他の約10軒のお宅では、「すでに入手した」、「購入予約して配達待ち」とのお返事でした。さすがにここ数日の暑さに耐えられなくなったようです。
中には「アンケートで欲しいと回答しておきながら、またせっかく声をかけてもらったのに、自分で買ってしまって申し訳ない」と謝る方も何人もいて、あらためて誠実な東北人気質を実感しました。
しかし、翌日の別な地区での配布ではすでに購入済みというお宅はほとんどなく、たまたまなのか、地区によって差はあるようです。

とにかく8月に入ってからの暑さは猛烈ですので、すでに冷蔵庫を購入したお宅が多いのではと想像していたのですが、とんでもない、多くの皆さんがこの猛暑の中、冷蔵庫もなく過ごしていたのです。
にもかかわらず、「暑いところごめんね」とか「ありがとうございます」と言って、飲み物を差し出してくれます。リポビタンDとかチオビタとかコーヒー牛乳とか・・・。どれもぬるくはないけど冷たくはありません。そのことも申し訳なさそうに「ごめんね、冷えてなくて」と謝ります。
でもこちらも社交辞令でも何でもなく、本当においしくいただきました。何しろ暑い中、直射日光の照りつけるトラックに乗り、事前アポイントの電話しまくり、男性2人は冷蔵庫を運び、そりゃもう水分摂っても摂っても喉が渇くので。
きっとご自身や家族のために買っておいて、おそらくクーラーボックスか何かに保管しておいた貴重な冷たい飲み物を分けてくださったのです。感謝の気持ちとともに、元気が出ました。

これまで、写真撮影をお願いできなかったのですが、今回初めて勇気を出してお願いしたら、恥ずかしがりながらも快く応じてくださいました。「支援してくださった方に感謝の気持ちをこめて」ということで。
その中のあるご夫婦。笑顔が最高にステキ! 写真のためにお母さんに呼ばれたお父さんの顔がかわゆいのなんの!

この笑顔に代表されるように、どのお宅でも本当に心から喜んでくださいました。
中古なのでどうしても汚れや傷があるのですが、お詫びを言うと「そんなの全然!中はきれいよ♪」と言ってくださいます。

最後の方に配布した地区ではリーダーさんが積極的な方で、自分のグループの各家庭のアンケート結果を独自に一覧表にしていて、私たちの報告を元に表を消し込んでいました。こうしてリーダーさんが協力してくれると本当に助かります! またリーダーさんがメンバーのお宅の場所や、在宅時間を教えて下さるので時間短縮できます。
しかし、リーダーさんはさまざまなことの取りまとめをしなければいけないので、大変なお役目だと思います。本当に感謝です。

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【この日の感想】

正直、のほほんとした地元横浜の雰囲気と、被災地のそれとの違いに、初日は体も心もついて行かなかったのだと、後になって思った。(もう何回も来ているのに!)。断片的な記憶しか残ってない。自宅にいた時も、本来業務と、現地入りのための準備(物資回収、整理、各方面への連絡など)で多忙を極めたが、やはり被災地の町全体の肌で感じる雰囲気には圧倒され、胸が塞がる。住人の皆さんとお話ししているうちにだんだん気持ちがほぐれるという感じかなぁ。

とにかく「1軒でも多く家電を届けねば、待っている人がいるんだから」という気持ちが強く、メモを取る余裕もなかった。いい意味でもうちょっと肩の力を抜かないと・・・。見聞きしたことを記録して、王冠でのミーティングで的確に報告するのも大事な仕事だ。記憶できればいいが、いつも混沌としてしまうのでメモや写真は重要。